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2011年05月31日

積み重ねの科目と暗記科目の勉強法の違いを知ろう!

 ガロア通信第14号のテーマは「積み重ねの科目と暗記科目の勉強法」です。
 勉強はただ一生懸命(けんめい)やれば良いというものではなく、その科目にあった勉強法というものがあるものです。その基本的な勉強法を知らなければ、いくら努力しても成績が伸びないということになりかねないので、注意が必要です。
 ガロア通信第14号では、積み重ねの科目と暗記科目に大まかに分けて、その性質と勉強法について説明したいと思います。

積み重ねの科目の勉強法

 積み重ねの科目とは、算数・数学のように積み重ねて学んでいく科目のことです。
 積み重ねの科目は、必ず基礎から一つずつ積み重ねて勉強していかなければなりません。  
 例えば算数の場合、かけ算が出来ないとわり算は絶対に出来ません。そして、かけ算・わり算が出来ないと、その後の少数や分数などの計算が出来なくなってしまいます。

 また中学生の場合、1年の教科書が分からないと2年の教科書を理解することが出来ず、2年の教科書が分からないと3年の教科書が理解出来ません。ですから、積み重ねの科目は、たとえ中学3年生でも中2、それでも分からなければ中1、あるいは小学校のからと、どんどん掘り下げて出来るところから勉強することがとても大切です。

 積み重ねの科目の苦手な人は必ずどこかでつまずいているので、先生にチェックしてもらい、そこから勉強していく必要があります。そうすると、ほとんどの生徒が大学の入試問題まで、解けるようになります。このように積み重ねの科目は、基礎から一つ一つ確実に学んでいくことが不可欠なのです。

     積み重ねの科目は、ある程度以上習熟する必要がある !
 わり算はかけ算が分かれば出来るわけですが、かけ算がやっと出来るような状態でわり算を勉強すると、教える側も習う側も困難を感じ苦しい思いをします。そして、計算は遅く間違いも多いうえ何よりも生徒がきつい思いをするので勉強嫌いになりかねません。ですから積み重ねの科目は、ただ分かるだけではすまさず、ある程度以上すらすら出来るようになるまで勉強することがとても大切です。

 積み重ねの科目は、一生懸命勉強してもすぐ成績が伸びるとは限りません。また、基礎ができていなければ、試験範囲だけをいくら勉強しても成績はあまり伸びません。勉強するときは、その点にとても気を付けるべきです。

暗記科目の勉強法

 暗記科目は、積み重ねの科目ほどは前後の関係がなく、学年の関係もあまりない !
 例えば、社会の地理が分からなくても歴史は学んで理解することが出来ます。また、地理や歴史は分からなくても、公民は学んで理解する事が出来るのです。さらに同じ科目、例えば地理で、アジアの事が分からなくてもヨーロッパのことは学ぶことが出来るし、アジアのこともヨーロッパのことも分からなくてもアメリカのことは学ぶことが出来るということです。

 そういうわけで、暗記科目は試験範囲だけを勉強しても十分いい成績を取ることができ、記憶力と読解力さえあれば成績の伸びやすい科目だと言えます。

     暗記科目は、まず教科書を読め !
 暗記科目は、まず教科書を繰り返し何度も読み理解することが大切です。暗記科目の苦手な生徒は、間違いなく教科書を良く読んでいません。教科書は出来たら10回以上、少なくとも5回以上は通読するようにしてください。その場合、表やグラフなどにも目を通すことが大切です。
歴史でしたら、まだ習ってなくても教科書を最初から最後まで目を通し、流れをつかんでおくことも大切です。
 また、読んでも理解できないところは、調べたり質問したりして理解することが大切です。暗記科目と言っても、理解しないままで覚えようとすると大変な苦労を伴うものです。

     暗記科目は、まず用語を覚えよ !
 教科書を何度も読んだら、次に用語(太い字で書かれている部分)を覚えることです。特に漢字の部分は、漢字も書いて覚えることが大切です。用語をひらがなで書く人がいますが、それはまずいやり方です。漢字には意味があり、意味が分かるとずっと記憶しやすくなるからです。そして、教科書を読んだり漢字を覚えたりすることは国語の勉強にもなり、国語力が伸びるとさらに暗記科目に強くなれるのです。

     暗記科目は、まず覚えてから問題を解け !
 すぐ問題を解こうとして「むずかしい、むずかしい」と言う生徒がけっこういますが、これでは時間を無駄にするだけです。
 例えば、イギリスの首都がロンドンだと覚えたことがなければ「イギリスの首都はどこかな」といくら考えても分かるはずがありません。暗記物は、まず覚える作業をし、それから覚えているかどうか確認するために問題を解くようにしてください。そして、覚えてなかったところは、また覚え直すのです。

     疲れているときや眠いときでも、暗記物は勉強できる!
 疲れているときや眠いときは、計算したり文章を読んだりするのはとても効率が落ちます。しかし、睡眠学習法という方法があるくらいで、漢字や英単語、英文などを覚えることはけっこう出来るものです。
 眠いときはもちろん寝た方が良いのですが、受験前などでどうしても勉強しないといけないときは、単純な暗記作業をやると良いでしょう。
 例えば、英単語や英文を覚えるのでしたら、読みと日本語訳を交互に声に出して言いながら書いていると、意外と覚えられるものです。

     暗記科目に強くなる究極の秘訣は「暗唱すること」にある !
 大切な部分は暗唱できるようになるまで何度も音読し、時間を見つけてひんぱんに暗唱するようにしていると、良く覚えられるだけでなくその後の暗記科目の勉強そのものが楽になってきます。

     暗唱することには、二つの効果がある !
 まず、暗唱すると覚えやすいということです。暗唱するためには、その語句を覚えないといけないので、覚えようとする意識が高まり、読むだけのときよりも遙かに覚えやすくなります。
 次に、毎日何かを暗唱していると記憶力が強化されるということです。そして記憶力が強化されると、今までと同じ時間勉強しても、より楽によりたくさん覚えられるようになります。 
 暗唱する回数と量を増やせば増やすほど記憶力は強化されるので、ぜひ毎日何かを暗唱するようにしてほしいものです。

 暗唱のすごいところは、歩きながらでも、掃除をしながらでも、風呂に入りながらでも、人を待ちながらでも、やる気さえあればいつでもどこでも出来るという点です。

 教訓などを暗唱していると、それが心の奥深いところに染み込んでいき、その人の考え方や生き方にも大きな影響を与えるようになっていく!
 幕末の志士たちを初め、明治初期の多くの日本人達は、国内だけでなく外国からも高く評価されているものです。
 「青年よ大志を抱け」の言葉で有名なアメリカの教育者クラーク博士は、当時の日本人学生達の高い志と非常に優れた学習能力に驚かされたと日記に書いています。

 当時活躍した日本人の多くは、幼い頃から四書五経(ししょごきょう)と呼ばれる漢書を学んでいます。四書五経とは、「君子が国家や政治に対する志(こころざし)を書いた漢語の書物」の事ですが、当時の人たちは、その四書五経を徹底的に素読(そどく)し暗唱もしています。
 その結果、高い志と優秀な学習能力を備えた人物が大勢排出したというわけです。


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Posted by ガロア at 22:36│Comments(0)教育・福祉
 
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