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2010年02月09日

バイアスの危険性について知ろう!

 今日のテーマは「バイアス」です。
 去年行われた衆議院議員選挙や、津波・地震対策、いじめ、世界で大流行している新型インフルエンザ、学力向上などには、この「バイアス」が大きく関係しています。

 2004年12月に発生したスマトラ島沖地震では、インドネシアのスマトラ島沖で発生した津波が、インド洋沿岸地域を始めアフリカの東海岸にまで到達し、甚大(じんだい)な被害を引き起こしました。この地震と津波で22万7千人が亡くなっていますが、インターネットで入手した写真を見ると、多くの人が押し寄せてくる波をのんびりと見ていて被害にあっていることが分かります。

 また、6年前に韓国で起こった地下鉄火災は200人もの人が亡くなる大惨事でした。
しかし、事件後に報道された写真には、火災が始まり煙が充満してきた車内に、人々が平然と座っている姿が写っていたのです。火災はゆっくりと拡大していたので、人々が速やかに避難行動を取っていたら、多くの人々が助かっていたのです。

「多数派同調バイアス」が働いたため、人々はすぐには逃げなかった!
 インドネシアなどでは、津波に対する知識が不足していただけでなく「多数派同調バイアス」が働いていたと専門家は分析しています。
 韓国の地下鉄火災事件の乗客にもこの「多数派同調バイアス」が働き、大惨事につながったのだろうと分析されています。

 バイアスとは英語のbiasのことで、「思い込み、先入観、偏見」といった意味です。そして「多数派同調バイアス」とは、自分以外に大勢の人がいると、取りあえず周りにあわせて行動しようとする心理状態のことです。
 つまり、周りには逃げようとする人が誰もいなかったので、危機が直前に迫るまで誰も逃げようとしなかったというわけです。

 「多数派同調バイアス」に関しては、次のような実験があります。
 学生寮で事前に訓練とは知らせずに非常ベルを鳴らすと、1人部屋の人はすぐ出てくるが部屋の人数が増えるほど、出てくるのが遅くなり避難が遅くなるという結果が出たのです。周囲にいる人が多ければ多いほど、自分の考えや判断で行動するのではなく、まず周囲の人々の様子を見るため、行動に移すのが遅くなってしまうのです。

 「多数派同調バイアス」と似たものに「集団同調性バイアス」があります。
「集団同調性バイアス」とは、常識的には考えられない行動でも「他の人がやってるから、大丈夫だと思った」とか「他の人がやってるのに自分だけやらないと損だ」と思ってついやってしまう心理状態、あるいは、集団でいると自分だけが他の人と違う行動をとりにくくなる心理状態のことです。

 先月30日の衆議院議員選挙では「民主党への風」が吹いたと言いますが、その風を吹かせたのはマスコミの影響が大きいと言わざるを得ません。「民主党が優勢」と繰り返し何度も放送されるので、そこに集団同調性バイアスが働き、民主党に投票する人がますます増える結果となったのです。
 ご存知のように、4年前は自民党に風が吹き、自民党が圧勝したわけです。

 ただ、4年前の衆議院選挙でもそうでしたが、特定の政党への風が吹きすぎると、政治的に有能な人が落選し、疑問に思うような人が当選したりします。
 今回民主党の比例東海ブロックで初当選した磯谷香代子さんは、国会議員を目指そうという気持ちは全くなく、親しい民主党参議院議員に頼まれたため、断り切れずに立候補者名簿の最下位に名前を載(の)せただけだったそうです。

 日本人には元々、みんなと同じ行動を取りたがる国民性があるとのことで、次のような小話があります。

 日本人は日本丸という船に乗っているのだが、みんなが船に均等に乗るようなことはせず、片方にかたまって乗るので、船が傾いて沈没しそうになる。そうなると「大変だ。日本が危ない。」と大騒ぎして全員がもう片方に大移動する。すると今度は船はその方へ傾いて沈没しそうになる。すると又大騒ぎして前のところへ大移動する。そういう風に大騒ぎをくり返しているのだが、日本人はとても器用なので、日本丸が沈没することはない。

学校などでの「いじめ」にも「集団同調性バイアス」が働いている!
 集団の中で誰かがいじめられていると、いじめられている人を助けようとする人はいないが一緒になっていじめる人は多かったりするものです。こういうことは、ネット上でも良くあることです。

他府県に比べて沖縄では、勉強もインフルエンザ対策も、テーゲー精神のために徹底されていない!
 最近ではACジャパンが、子供の基本的な生活習慣作りを応援しようと、テレビなどで「早寝早起き朝ごはん」運動をしています。また、学校からもそういった関係の印刷物が配られているのですが、それでも、9時過ぎても外で遊んでいる子供達をまだ見かけます。
 夜遅くまで起きていると性的に早熟になることが指摘されていますが、性的に早熟するというのは、体が早く大人になることを意味し、体が十分できあがらないうちに成長が止まることも意味します。身長も早く伸びが止まってしまうのです。

 それから、新型インフルエンザについてですが、沖縄は全国平均の19倍も流行しているとのことですが、これは今年の新型インフルエンザに限らず、毎年流行る通常のインフルエンザについてもだいたい同じです。インフルエンザは気温が低く空気が乾燥している時に伝染しやすい性質を持っています。しかし、全国で一番温かく湿度も高い沖縄で夏場にインフルエンザ患者が多くなることを専門家は「ナゾだ」としています。
 しかし、これは沖縄のテーゲー精神によって、手洗いなどの対策が徹底されてないためだと私は見ています。

自分の目で見て自分で考え、自分で判断し自分から行動する習慣を身につけよう!
 このバイアスに陥らないためには、正しい知識を学び、それに基づいて正しい判断をし、まず自分が率先して行動することです。それが私たちの身を守り、学力を向上させ、社会をより良い方向へ発展させる原動力となるのです。

「多数派同調バイアス」や「集団同調性バイアス」を良い方へ生かそう! 
 鳩山新首相の鳩山家は、鳩山首相の子供まで5代に渡って東大卒で、政治家としても大物を排出(はいしゅつ)しています。
 豊田 穣著『英才の家系―鳩山一郎と鳩山家の人々』には、その鳩山家の教育法について書かれています。

 毎朝午前3時半に起床し、2時間ほど勉強する。1日に勉強する分量を決めて、それが終わると自由にさせた。勉強は順を追ってさせ、無理はさせなかった。
 幼少の頃から善悪の判断には厳(きび)しく、悪いことをすると叱った。また遊びを重んじ、年齢に応じて、おはじき、てまり、凧、コマ,囲碁、将棋、ビリヤード、器械体操、オルガン、ピアノ、すもう、テニスなど、時間を作って親子で遊んだりした。

 ここで、親子で遊ぶことは、家族のつながりを密にし、親子の信頼関係を強めることにもなるなど、とても重要な役割を果たしています。

 私たちは朝3時半に起きて勉強することは出来ませんが、6時に起きて勉強することは出来ます。小学生は朝6時、中学生は5時半、高校生は5時に起きて勉強するようにすれば、沖縄県の学力は、たちまち全国トップレベルになるはずです。
 「早寝早起き朝ごはん」運動が浸透して、より多くの子供達が朝早く起きて勉強もするようになることを期待しています。



Posted by ガロア at 21:55│Comments(0)
 
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