体の使わない機能・能力は衰える!

ガロア

2009年12月01日 20:55

 体の使わない機能・能力は衰える!   
 今回のテーマは「生活不活発病(せいかつふかっぱつびょう)」と「学習能力の向上」です。そして、この2つに共通していることは「使わない機能・能力は衰え、良く使う機能・能力は向上する」ということです。

 生活不活発病は廃用症候群(はいようしょうこうぐん)とも呼ばれ、病気や加齢(かれい)、ケガ、ストレスなどにより生活が不活発になることが原因で、体だけでなく心や頭の働きも含めた全ての機能が低下することを言います。
 生活が全体的に不活発になると「使わない機能・能力は衰える。」という自然の法則に従って全身の機能が低下するのですが、
                
1,関節が固くなったり、骨がもろくなったりする。
2,筋肉の力が落ちたり、心臓や肺など内蔵の働きが弱まったりする。
 といった体の機能だけに限らず、頭や心の働きの
3,周囲への関心や知的活動、生活全般に関する意欲などが低下する。
4,感情が乏(とぼ)しくなったり、「うつ」傾向になったりする。
5,記憶力や判断力が低下する。
               
など、感情面や精神面の働きから学習能力に至るまで、生活活動に関係するすべての機能・能力が低下してしまいます。

 子供は外で遊ぶことも大切だ!
 生活不活発病は高齢者に出やすいのですが、家に閉じこもりがちな若者や子供にも出てきます。
 成長期にある子供たちの生活が不活発になると、子供たちの心身の発達に大変な悪影響を与え、一生取り返しのつかない事になりかねません。
 現在、子供の骨折が30年前の2倍に増えているそうですが、そのことと子供たちが外で遊ぶ時間が大幅に減ってきていることと決して無関係ではありません。
 家の中に引きこもりがちの人は、どの年代でも心身の病気になりやすく、精神状態も不安定になりやすいものです。
 そのことを防ぐためにも、特に子供たちには外で友達と伸び伸び走り回って遊んで欲しいものです。
 
 生活を活発にして、生活不活発病を防ごう!
 生活不活発病では多くの機能・能力が同時に低下していくので、筋力の低下などのような一部の症状だけを治そうとしても真の解決にはなりません。
 うつ状態や一見「認知症」のような知的活動の低下の場合も、「心のケア」だけでなく生活不活発病としての対策が必要となります。
 また理由は何であれ、昼間も横になっている生活が続くと、立った時に血圧が下がって気分が悪くなり、めまいや立ちくらみがする起立性低血圧が起りやすくなりますが、気分が悪いからと更に寝ていたりすると症状を一層悪化させることになってしまいます。
 生活不活発病に関していえば横になって休めば休むほど悪化するので、注意が必要です。

 生活不活発病を防いだり改善したりするには、まず生活を活発にすることが大切です。
 生活が不活発になるのは「何をしても面白くない」といった精神的なものが大きいので、もっと積極的に社会に参加して人との交流を保ち、生きがいのある生活を送るようにすることがとても大切です。

 専門家の指示に従って積極的なトレーニング(リハビリ)をしよう!
 今までは、お年寄りなどが、退院後に寝たきりとなり、そのまま歩けなくなったりすることが問題となってきましたが、これは、入院中にベッドに横になっていることが多かったことが原因となっています。
 また、以前では、手術後安静にするのが基本でしたが、早い人では、翌日からリハビリを開始し、早く回復できるようになってきました。
 スポーツ選手などでは、ケガの後の安静時に、けがの部分以外は積極的に動かすことで、筋力低下を防ぎつつケガの回復も早めています。

 筋力トレーニングをした後体を休めていると、3時間ほど成長ホルモンがよく分泌されます。その成長ホルモンには、成長を促す働きの他に、免疫力を高めて病気や傷の治りを早くする、脂肪代謝の促進、若さを保つアンチエイジング、筋肉の強化、新陳代謝を良くするなどの働きがあります。
 今年4月に読谷村健康増進センターが完成しましたが、村民は大いに利用したいものです。

 知的能力・学習能力を強化しよう!
 生活不活発病に関連することですが、知的能力を鍛錬(たんれん)することによって、周囲への関心や生活に関する意欲を高め、記憶力・判断力などの学習能力を向上させることができます。
 そして、精神活動が盛んになると感情が豊かになり、生活不活発病によるうつなどの症状も改善します。
 また、知的能力を鍛錬して学習能力が向上すると、世の中の速い変化にもついて行きやすくなり、対人関係の改善にも役立ちます。
 そしてもちろん、小・中・高校生でしたら、今までより学校の勉強が楽になり、同じ時間勉強していても成績が伸びることになります。

 知的能力・学習能力を鍛えよう!
 何度も繰り返しますが、人間には「使わない機能・能力は衰(おとろ)え、良く使う機能・能力は向上する」という性質があります。
 例えば、筋肉は働かせば働かすほど発達しますが、働かさないでいると細くなります。
 また、覚えれば覚えるほど覚える能力が発達し、思い出せば思い出すほど思い出す能力が発達します。覚えすぎて頭がいっぱいになり覚えられなくなるということは全くありません。
 頭は何歳になっても使えば使うほど良くなります。私たちは老いも若きも頭をどんどん使い、いつまでも若々しい頭脳を保つようにしたいものです。(音読と暗唱を毎日やると、記憶力がとても良くなります。)

 英語と数学は毎日勉強しよう!
 英語・国語と数学・算数とでは勉強するときに使う脳の部位が異なっています。
 小学生は毎日算数と国語を勉強し、中・高校生は、数学と英語を毎日勉強してください。この2教科を勉強すると、勉強するときに必要な能力をほぼ全部使い鍛えることができます。

 機能・能力を伸ばすコツを知ろう!
 ただ、どんな機能・能力であれ、それを伸ばすにはコツがあります。例えば、いくら長い距離を歩いても、速く走れるようにはなりません。また全力で走ったとしても、ほんの一瞬しか走らないのであれば、やはり走力はあまりつきません。
 走力をつけるには、一定の時間できるだけ速く走り、それを継続する必要があるのです。 
 学習能力の場合でも、全く同じです。勉強でもスポーツでもダラダラやるのではなく、集中してやり継続することがとても大切です。

 機能・能力向上のための3つの秘訣
1,全力を尽くしてやること。
2,継続すること。
3,休息すること。

 「休息すること」もとても大切です。休息を十分取らないと疲れがたまり、努力しても機能や能力が向上しなくなってしまいます。

 仲間やライバルを作ろう!
 機能・能力向上のための3つの秘訣を実践するには、仲間やライバルを持ち、楽しんでやることが大きな助けとなります。
 ライバルがいると競争心が湧き、必然的に全力を尽くすことになります。
 また、仲間がいると、夢を語り合ったりお互いに励まし合ったりすることができ、楽しく勉強できることになります。そして、楽しく勉強できると、継続することも可能となります。

 将来の夢を心に描こう!
 それから、将来の夢や希望を常に頭に描いておくことも、勉強する強い動機付けとなります。ですから、同じ夢や目標に向かって行動する仲間たちは大切な宝物なのです。早い内にそういう仲間を作り、共に夢を語り合い行動して欲しいものです。

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